自由な国と格差
前回の記事でパスポート インデックス
について書きましたが、
それについて詳しく見てみようと思います。
イギリスのHenley & Partnersによる
2018年「パスポート インデックス」では
(世界199のパスポート対象)
ビザなしで行ける国の数を基準に、
世界の最強パスポートをランキングしています。
(出典:QUARTZ
https://qz.com/1175634/the-worlds-most-powerful-passport-in-2018-germanys/)
ランキングのトップ10
ランキング |
国 |
観光ビザなしで |
1 |
ドイツ |
177 |
2 |
176 |
|
3 |
フランス、イギリス |
175 |
4 |
オーストラリア、ベルギー、ルクセンブルク、オランダ、スペイン、スイス |
174 |
5 |
173 |
|
6 |
カナダ |
172 |
7 |
171 |
|
8 |
170 |
|
9 |
マルタ |
169 |
10 |
168 |
世界ワーストランキングはこちら。
1 |
24 |
|
2 |
27 |
|
3 |
シリア |
28 |
4 |
30 |
|
5 |
32 |
|
6 |
イエメン |
35 |
7 |
リビア、ネパール |
36 |
8 |
37 |
|
9 |
38 |
|
10 |
39 |
日本はドイツ・シンガポールに次いで第3位です。
日本パスポート保持者は、
入国カウンターでパスポートの提示だけで
175ヵ国に観光ビザなしで旅行が出来ます。
経済大国、資本主義、
民主主義で平和な国であること、
こんなにも国際的な信用度が高いこと。
日本人であることを、
とても誇りに思うと同時に
ありがたく思いますね
ヾ(❀╹◡╹)ノ゙
経済的にも堅調でヨーロッパ経済をリードする
ドイツが1位なのは納得です。
移民を幅広く受け入れてきたドイツは今、
近年の移民関連のテロなどで
国民の反移民感情が沸々とわいて来ていて
最近は国内で不穏な雰囲気が流れています。
が、その堅調な経済で世界のトップの地位は
今後も継続していくのでしょう。
経済面ではハテナ??な
ハンガリーがトップ10入り
しているのが気になります。
欧州の中では西欧・北欧に比べると賃金水準も低く、
経済的に少し遅れている印象がありますが・・
ポルトガルを例にとってみると、
2017年時点で、
で世界47位らしいです。
(出典:IMF)
物価も安いポルトガルですが、
2016年の平均年収は約20,000ドルとのこと。
日本円で約230万くらい。
そんな経済的困難や、高いとも言えないGDPですが、
GDP経済成長率で見ると、
2017年10月で2.49%と2011年以降持ち直して来ているようです。
(出典:IMF - World Economic Outlook Databases (2017年10月版))
依然として人気の高い観光目的地だったり、
外国投資誘致等を目指した多角的な経済外交も、
経済効果を後押ししているようです。
経済指標からのみでは測れないと思いますが、
そんな情勢もランキングに反映されているのでしょうか。
一方、パスポートの自由度ワーストランキング。。
紛争地域や内乱を抱える
名だたる国が並んでいます。
治安をはじめ、
経済的にも政治的にも
困難な状況がほとんどの国々ですね。
ワースト4位に入るパキスタン。
悲しい思い出があります。
国際的な問題にフォーカスした私たちの大学院のコースでは、
スイスのジュネーブにある国連本部と
フランスのパリにあるOECDの本部を
訪問するというスタディツアーがありました。
合わせて約1週間のツアーです。
私たちの少人数のコースの同級生の国籍は、
と様々で、
その中にパキスタン出身の同級生Tもいました。
中国人の同級生は欧州の国々へ行く時に
観光ビザが必要らしかったのですが、
ビザ取得にはそんなに苦労はなさそうでした。
国連で正式に国と認められていない台湾の友達も、
ある国ではビザ取得がとても複雑らしいですが、
欧州国は問題なさそうでした。
同級生みんなが準備をし、スタディツアーを楽しみに
して待ちに待った出発の日。
パキスタン人の同級生Tの姿はありませんでした。
(*ノ´>ω<。`)ノ
観光ビザ申請に必要な用意する書類や証明書などが多く、
一度申請しても追加書類の提示を要求され却下されたり、
申請がとても複雑で時間がかかり、
ステディーツアー出発時に間に合いませんでした。
肩を並べて一緒に一緒の授業
を受けてきた私たち・・
こんな形で格差を目のあたりにするとは
とてもショックでした。
ジュネーブでの4日間滞在後は
パリへ移動する形だったのですが、
幸運にもそれまでには
同級生Tのビザが下り、
パリに皆と合流でき再会した時は嬉しい笑顔と共にウルっと来ました
(´つω・`)
高額な学費と生活費をまかない、
物価の高い先進国に留学できる途上国出身の生徒は
基本的にお金持ちか、
奨学金により全てをバックアップされた
特殊な秀才がほとんどです。
同級生Tは上記の2つを足して2で割った感じの子でしたが、
ビザ取得はお金持ちも秀才も関係なく、
どんなに人格者であったり、勤勉であっても、
「国籍」という信用度の低さにより
ビザ取得プロセスの容易さは日本のような国とは
大きく差がありました。
逆にビックリした事もあります。
去年私が彼女の結婚式のためパキスタンに行く際、
東京でパキスタンの観光をビザ申請をしたとき。
パキスタンの大使館ホームページでは
ビザ申請料が1万円位と記載されていたのですが、
実際に申請にいくと、
「100円です」
と徴収する意味がなさそうなビザ申請料を担当官に請求されました。
マジで100円でした!(2016年3月)
∑(゚Д゚ノ)ノ
自宅から大使館まで片道1000円はかかる
交通費の方が高かったという・・
「次の日に取りに来てください」
と、これまたすんなりビザ取得できたのです。
はやっヽ(*゜∀゜*)ノ
きっと日本政府がパキスタン政府との取り決めで
ビザ関連で予算をだしているのでしょう。
日本人がパキスタンのビザを取得するのは
文字通り拍子抜けするほど
破格で簡単でした・・
o(・ω・。)
そんなこともあり、
国籍による自由度の格差があるのを
実際に見て、体験して、
改めて色々と考えさせられたのです。
そして改めて
日本人である事に感謝です
。。。
世界中の人々が幸せでありますように
国連本部の円形会議室。
ここで世界の様々な政策・事案が協議されます。
国連本部のカフェテリア。
テラスの先には山々と湖に囲まれた
٩꒰。•◡•。꒱۶
ここで働けたらなぁ